The Cat Museum -Art-


『更新世フロリダの大型動物相 “Two kinds of sabertooth facing off”』 復元想像図

イラストレーター、Jagroar作

説明

今回は、およそ100万年前の北米南東部、現在のフロリダに当る地域に分布していた主要ファウナを描いています。 この時代の北米では、体型も大きさも似通っていながら、系統の異なる2種の「サーベルタイガー」が、熾烈な生存競争を繰り広げていました。

手前から:
ダイアウルフ(フロリダ産) Canis dirus
クッキーカッターキャット Xenosmilus hodsonae
フラットヘッド・ペッカリー Platygonus compressus
キタアメリカ・サーベルタイガー(フロリダ産) Smilodon fatalis
テラトーン Teratornis sp.
アメリカチーター(フロリダ産) Miracinonyx trumani

Xenosmilus(ゼノスミルス)は、スミロドン属種やバルボウロフェリス属種とよく似たがっしり体型ながら、上顎犬歯長が控えめで頭部は「シミターネコ」そのものという、変わり種です。上下の切歯から犬歯にかけて途切れのない歯型をしていることから、「クッキーカッターキャット」というユニークな俗称が提案されていますが、全身骨格が2体しか出ていないこともあり、あまり認知されていない存在です。
ねこの博物館では、このゼノスミルスの精緻な頭骨レプリカを展示しておりますので、おなじみのサーベルタイガー(スミロドン)などの標本とともに、ぜひ注目していただけたらと思います。なお、遠方に見えるチーターのような動物は本物のチーターではなく、ミラキノニクス属に分類されている種類です。スミロドンとゼノスミルス同様、チーターとミラキノニクスも、系統を異にしながら形態・機能は似通っているという、収斂進化の好例をなしています。




Copyright 2013 Jagroar All Rights Reserved.